イノウエさん 好奇心 blog

井上慶太郎の学術系スナップショット。月1予定。

池内恵さんと総選挙

2017総選挙の投票日が迫ってきました。ある党は、強い日本のため、市民の知る権利に目をつぶる。ある党は、強い日本と市民の権利の両軸を、ゆっくり築こうとする。 政党にまつわる二つの特徴が自分にとって目立ちます。目をつぶるのは良くないし、ゆっく…

分析美学とシラー

『美と芸術の理論』シラー著から引用 1793年2月19日 さっそく昨日の話の解釈をすることにしましょう。(昨日の話) 第五の行為が美しいものである理由は(略)まったく我を忘れて、自分の義務を、やすやすとあたかも本能から出たかのように行ったから…

美しさを定義した人たちの話

リサーチサイトに新しい記事を更新しました。 www.machinokid.net(9/6updated) ところで本日はこちら美学の話を掲載することにしました。ちなみに、『走れメロス』は太宰治の著作として有名ですが、実は、もともとは、この文章の作者・シラーによるもので…

Shanghai Story

上海へ行かせて頂きました。 現地では、最近、親しくさせてもらっている重慶出身の知人に会ったのですが、会話の内容も多岐にわたり良い時間でした。他愛のない話がほとんどでしたが、小籠包の話から、いつのまにか、中国政府の情報規制のことなどに話が至る…

続・社会学入門

先月は、岩波新書赤版『社会学入門』の、第1章・第2章に触れさせていただきました。 今回は、しばらく個人的には難解に感じていた序章と巻末の部分に踏み込みます。 社会学ならではの、ドイツ語の耳慣れない用語も多々出てくるのですが、関連する問題意識…

Zauber(ツァウベル)

(5.16 updated) 見田宗介氏の『社会学入門』(岩波新書・赤版)から、ブログします。去年も紹介したこの著書ですが、今日、取り上げるのは序章から6章あるうちの、第1、2章です。 ページ数にして40ページ強。この中に好奇心膨らむ物語が、詰め込まれてます。…

アブラハム・パウロ・イエス・危口

(4.15, updated)2016年度、自分が最もインスパイアされた記事は、「法に背く罪と、法に委ねる罪がある」といった内容の記事でした。この内容は、『やっぱりふしぎなキリスト教』に織り込まれたキリスト教の研究者、大貫隆氏の話の中で触れられたものです。 …

2017年新宿ガザ地区

2009年1月16日、イスラエルのニュース番組「チャンネル10」の放送中、コメンテーターのシュロミ・エルダーは突然、電話をとった。相手は友人であり、ガザのジャバリア難民キャンプ出身のイゼルディン・アブラエイシュ医師だった。医師は、封鎖され報道機関の…

イノウエさんは具体的にはブログを書きます

1月20日のワシントンポストは、「神は壁を否定していない」と語るある牧師さんと、トランプ氏が対談したことを話題にしておりました。 "God not against building walls" ...神はそんなふうに思うんですかね。 ところで今日ぼくは、自分の目標を書こうと思い…

¥切り下げ政策だったんだ

(2017.1.11 加筆) 新年あけましておめでとうございます。仏、歴史学者エマニュエル・トッドが著書の中で、面白いこと言ってました。「自国通貨を切下げられないこと」が、EU連合の破綻の主な原因なのだと。そして、日本の金融政策を引き合いに出して評価して…

ポピュリズム台頭までの哲学史

12月4日、日本時間22時。 オーストリアでは大統領選挙、イタリアでは憲法の改正の是非を問う国民選挙が間もなく始まる。 どちらも、自国のEU離脱を促す排外主義的な政権樹立の可能性が秘められているのだが、Brexitやトランプ氏の勝利など、昨今取りざたされ…

形而上から形而下へのパリ盆地

写真:Chim↑pom 『明日もまた見てくれるかな』の会場にて先日、図書館員の方からある本を貸してもらったのですが、今回はその受け売りです!『シャルリとは誰か?』(エマニュエル・トッド、2016)この本は、2015年1月7日のシャルリ・エブドの事件の後、フラ…

なんて面白いんだNHKで紹介された今縫えるさん

(2017,1,17updated)NHKの100分de名著で、名著57の回は『永遠平和のために』でした。著書はイマヌエル・カントさんです。名著57 永遠平和のために:100分 de 名著【指南役】萱野稔人(津田塾大学教授)聞き役に徹する伊集院光さんが、いつも敷居の低い目線…

祖母と教会

三鷹の病院で静養していた祖母が亡くなりました。小沼博子、享年92でした。 シャンソンや琴に親しんだ祖母だったので、病床では、生前歌っていた『愛の讃歌』などを、静かに流すなどしてエールを送りました。葬儀は教会式でした。 調布に引越しをしてきた10…

Laïcité

(2017.2.5updated)勤め先となる図書館で、あるきっかけからポスト構造主義の話になりました。 先駆者、ジル・ドゥルーズ氏の名前を出すと、 スタバのコーヒーのサイズの読み方くらい、覚えにくいと言われました。笑その流れもあり、別の日、また他の図書館員…

スナップワーク

学術系スナップショットブログ始めて、一年経過したところです。現在、卒業して2年が経つので、受け入れてもらえるかはわからないのですけど、卒論を書き直しています。 ******** 追記:論文"リゾームのカント"を、立教大学、現代心理学部、当時お世話になっ…

キェルケゴール型の人たちへ

図書館員として働きながら、いろんな図書が市内の分館や地下書庫をめぐって、行き来して、手に触れていきます。 仕事後『キェルケゴールを学ぶ人のために』を手にとって読んでみました。Søren Kierkegaard (1813~1855)デンマーク語は、読み方難しいので、日…

人それぞれと人らしさ

何か日常生活で意見がすれ違ったり、友達と喧嘩したりしたとき、はたまた議論が煮詰まった時「人それぞれだから」という言葉で、話を終わりにすることってないですか?今回は、「人それぞれ」の深い意味を教えてくれる哲学を紹介します。 人それぞれと言って…

むしりたがりし赤い花

自分が社会学系の本を好きになったきっかけは、ある本です。大学へ入学したての頃、社会学部の方に薦めてもらった見田宗介先生の『社会学入門』という新書です。その中で紹介されていたある俳句が目に留まりました。 手向くるや むしりたがりし 赤い花 まず…

ういういしさ哲学

自分は学士の学位なので、専門家とはいえないキャリアですけど、それでも、実践的と思える哲学に出会ったら、大学4年間の講義を参考に、文献紹介をしたいと思います。ところが今回、あえて過去の自分の手記から、とあるエピソードを紹介することにしました…

ショーペンハウワー2016

年始はソウルから 詩人は花をもたらす人に、哲学者その精をもたらす人になぞらえることができる。 2016年、今年も張り切ります。 ところで、なぜ好奇心ブログを書いているのか、簡単に書いてみます。理由は、言葉はお守りだからです。必要ではないけど持って…

アダム・スミス問題

経済学の父、"見えざる手"でおなじみの、アダム・スミス(1723~1790)は、カントの一才年上のイギリス人です。 こんな言葉を残したことで良く知られています。 (追記12/8) われわれが食事を楽しみにするのは、肉屋や酒屋やパン屋の博愛心からでなく、彼らの…

アルスラーン戦記とジョン・ナッシュ

アルスラーン戦記、面白いですね。Anitubeで後追いで、ちらっと見たんですけど。 ペルシャ人(現イラン人)の戦いを描いたアニメで、史実を元にする部分もあって面白いです! ついでに、主人公のアルスラーン太子は、甘いんですよね。 でも、人はついてくる…

人を楽しませる先生

私は幸運にも1人の哲学者を知った。それは私の先生であった。 彼は、そのもっとも元気な時代には、若者のように陽気で、きびきびしたところを持っており、しかも私の考えでは、晩年までそういうところを残していたと思う。 ものを考えるための広い額は、何事…

パンジーの秘密

"パンジー"の話、面白いので掲載しちゃいます。 出典はレヴィ=ストロースの『野生の思考』1976一部の人には有名な著書です。 というのも、20世紀のフランスの芸術家や、若者の精神を支えた実存主義(主体性を中心にする主義)を、痛烈に批判して、新しく構…

"反復" 実践編

広瀬すずさん。やっぱ、 かわいいですね。 ちはやふるの実写版は賛否両論あるみたいですけど。この写真を見ると、勝ち気さが出てて、はまり役のような気もしますね。哲学とか"差異"の話はおいておいて、ちはやふるの話しをしたいと思い、おも、、、 えーと、…

"差異"

ということで"反復"は恋心のようなものだと知りました。どの分野でも、専門用語ってありますけど。徐々にでもわかってくると面白いですよね。 "差異"も面白いです。「あめ」と聞いて「雨」にも「飴」にも受けとれる。「雨」や「飴」の中でも思い描かれる色や…

"反復"

セーレン・キェルケゴール(1813~1855)は、著書『反復』1848の中で、反復の恋、について語り、“反復”を高く評価しました。 反復の恋とは、幸福な恋です。 反復はいつまでも飽くことのない愛妻である。飽きがくるのはただ新しいものだけである。 p10『反復』…