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イノウエさん 好奇心 blog

井上慶太郎の学術系スナップショット。月1予定。

パンジーの秘密

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"パンジー"の話、面白いので掲載しちゃいます。

出典はレヴィ=ストロースの『野生の思考』1976
一部の人には有名な著書です。

 

というのも、20世紀のフランスの芸術家や、若者の精神を支えた実存主義(主体性を中心にする主義)を、痛烈に批判して、新しく構造主義の流れを生み出したのが、この本の著者、レヴィ=ストロース(1908~2009)と言われるからです。
後半部に、実存主義の立役者、ジャン・ポール・サルトル(1905~1980)が批判されたことは有名な話です。

 

ところで、構造主義とは、"おれ"、"わたし"という意識が、個人から湧き上がるのか、それとも、周囲の環境によって生じるのか、という争点のうち、環境側に原因があると考える立場です。

レヴィ=ストロースは、このことを、子孫の繁栄が、個人ではなく家族構成に関係があることを示したんです。簡略化しすぎて異論もあるかと思いますが、ひとまず置いておいて。

 

そんな家族の話題に関連して、ヨーロッパ各地で語り継がれてきた、ある民話が紹介されてます。

 

表紙に描かれた"パンジー"

この名はもともと、パンセ[Pensees]=思考、から由来するそうです。

野生のパンジーには、合計5枚の花びらがあって、手前に色鮮やかな花びらが3枚と、後ろに地味な色の花びらが2枚あります。

 

この一輪の花が、主人を失ったある家族に喩えられます。

前の3枚は、後妻と娘、後ろの2枚は、亡くなった前妻の娘、後妻は豪華に着飾り、自分の娘二人を左右に置いた。そのかわりに、前妻の娘二人を隅に追いやった。と喩えられます。 

花を見ると、後ろに地味な色の花びら2枚が、追いやられてる感じがしますね。

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その振る舞いを見ていた、神。

 

この一家を、不憫に思い、後妻(黄色の花びらの真ん中)を逆さまにして、前妻の子ども(後ろの花びら2枚)をより、まっすぐに立たせた。

 

民話では、このように伝えられます。


たしかに、手前の花びらが、逆さですね!
神、思いきりましたねw

 

昔の人が、野生のパンジーを見て、あれやこれやと思考(Pensees)したのが想像できます。
いまのパンジーは改良されたみたいですけど、身近な花に、そんな面白い背景があったとは、興味深いです。 

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(9/7 追記)

今のビオラだそうです。野生のパンジー。
読んで頂いた人から教えてもらい、感謝です。


あと、構造主義は今どうしてるかと言うと、主体性は、環境側なのか、個人の精神のどちらに原因があるか、と、単純には言えないので、今では、脱構築主義や、多系的根茎(Rhizome)の考えを中心にした"ポスト構造主義"が台頭しました。

今後どう展開するのか楽しみです。

野生の思考

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